暑さ寒さも彼岸まで、とよく言いますが、9月の連休明けから、急に空気が冷たくなり、1日の温度差も大きくなってきました。体温調節も難しい時期になってきました。季節の変わり目でも体調をくずしにくい身体作りを心がけていきたいものです。
東洋医学では、「気」・「血」・「津液」という言葉があります。健康な身体はこの3つの要素がバランスの良い状態であることが大切です。今回は「血」についてかいてみます
東洋医学で「血」とは
「血」とは血脈を流れるもので、豊富な栄養がある液体をいいます。「血」は食べ物から作られます。食べ物が「脾」の機能によって胃腸から消化吸収され、「心」や「肺」の機能によって「血」になります。この血は全身を巡り、臓器に栄養を与えたり滋養して、また精神活動にも影響をもらたします。この「血」を体内に貯蔵して、必要な時に必要な量を調節してくれているのが「肝」の役割になります。
「血虚」とは
血が不足した状態を「血虚」といいます。胃腸から栄養を十分に補給できないと、貧血のような状態になります。血虚でみられる症状としては、動悸や頭痛、目の疲れ、眩暈など、女性の方は生理不順をはじめ婦人系の症状もみられます。また、カサカサしたり、痒みなどの皮膚トラブル、白髪や抜け毛などの髪トラブルも起こしやすくなります。
お肌や髪のトラブル
中医学では、肌に関係のある五臓は「肺」。「肺」はお肌の表面の調整にも関わってると言われています。「肺」は季節では秋の季節に関係が深いと言われています。これからの季節、空気も乾燥してくるとお肌のお悩みも起きやすくなってきます。お肌に艶が無くなってくるのは、お肌の栄養不足、つまり「気」や「血」が不足してくることが原因の1つと考えます。
また髪は中医学では「血余」とも言われ、血が不足した血虚になると髪にも栄養が行き届かなくなり、白髪や抜け毛などの髪のお悩みもでてきます。髪は「腎」にも関係が深いので、老化や大きな不安、恐れ、精神的なストレスなどでも髪のトラブルはおこりやすくなります。血不足を補いながら、腎の機能も高めていくことは大切です。
「血虚」におすすめの食べ物
血虚を改善するためには、胃腸の働きを整えることが大切です。消化のよい食べ物、平性、温性の食べ物を積極的にとりましょう。食べ物の温性とは身体を温めて、寒気を払って「気」や「血」の流れをよくしてくれるもの。例えば、牛肉、舞茸、にんにく、タマネギ、にら、しょうが、カボチャなどです。平性とは、温性と寒性の中間で、全身のバランスを穏やかにする働きがあります。例えば、鶏肉、さんま、ジャガイモ、椎茸、キクラゲ、ごま、くるみなどがあります。冷たい物や生ものは控えて、温性、平性の食材をとりいれてみてはいかかでしょうか。
また、「血虚」には、黒や赤いものが良いと言われています。また「腎」が弱っている時はやはり黒いものを摂るとよいと言われています。
黒いものといえば、例えば、黒豆、黒ごま、黒キクラゲ、黒米など。赤いものといえば、レバーや、くこの実、なつめなどがあります。これらも上手く食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
黒豆は良質なタンパク質で、ポリフェノール(アントシアニン)やイソフラボンなどの栄養素が含まれています。抗酸化作用や美肌効果、整腸作用などが期待できます。お腹にもお肌にもうれしい食べ物です。
当院でも、施術後に黒豆茶もご用意しております。よろしければ、お身体のメンテナンスの後、お試しください。