頭痛の原因
頭痛は大きく3つに分けることができます。
☆機能性頭痛
➀緊張型頭痛
➁片頭痛
➂群発性頭痛
☆後頭神経痛
☆症候頭痛
鍼灸治療で主に改善がみられるものは、
機能性頭痛の緊張型頭痛と片頭痛や後頭神経痛です。
それぞれの特徴
➀緊張性頭痛の特徴
頭の筋肉が持続的に緊張することで、循環が悪くなったり、神経の絞扼によって痛みが出てきます。
・締め付けられるような痛みがある(ズキズキと痛むわけではない)
・痛みが持続的である
・午後から夕方にかけておこりやすい
・肩こりもある
・うつむいた姿勢で症状がひどくなる
・頭が全体的に重い
・目の奥が痛い
・疲労がたまっている
・ストレスや緊張状態が続いている
➁片頭痛の特徴
頭蓋外で、頭皮の下の血管が収縮したり拡張したりすることで
頭痛症状がでます。
・ズキズキとする痛みがある
・頭の片方の側が痛む
・発作的に(一時的に)痛む
・吐き気が出たり、食欲が落ちる
・頭痛が起こる前に、目の前がチカチカしたり、ギザギザの線が見えることがある
・アルコールやコーヒーを飲んだり、チーズやチョコレートを食べた後に起こりやすい。
・精神的なストレスがある時や、寝不足、寝すぎている時に起こりやすい。
➂群発頭痛の特徴
原因はあまりわかっていませんが、血管性の頭痛と言われています
飲酒やタバコが誘因になるとも言われています。
・ズキズキと頭の片方が痛む
・発作的に(一時的に)痛む
・目の奥に刺されるような激痛がする
・目が充血したり、涙や汗が良く出る、瞼が重い、鼻水・鼻つまりなどがある
・夜中に突然痛くなったり、痛みが数秒間続く
・数週間から2~3ヶ月同じような時間に痛みがある
後頭神経痛の特徴
後頭神経という神経に支配されている領域(後頭部や首)に、一時的に片側に痛みがでる
症候性頭痛の特徴
くも膜下出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、髄膜炎など大きな病気が原因となっている。くも膜下出血はハンマーで殴られたような激しい痛みが突然起こることがあります。このタイプの頭痛は鍼灸は適応外です
東洋医学では(頭痛)
頭は「諸陽の会」とか「清陽の府」などと言われています。清陽とは体内に存在する陽気のことで、軽く上に上がる性質があります。これが外邪の侵入によって抑止されたり、内傷により気血が逆乱して流れが悪くなり、脳の栄養が悪くなったりすることが頭痛症状の原因と考えます。
外感性の頭痛
外邪(体の外からくるもので、風・寒・湿・熱など)が入ってくることで、急に発病し持続します。
内傷性の頭痛
内傷(体の中にある原因で、感情や飲食の不摂生、過労など)によって症状は緩慢で、痛みのそれほど強くなく、疲れるとひどくなるものがあります。
イライラが溜まり過ぎる⇒気が滞る⇒頭痛
飲食の不摂生⇒清陽がうまく頭に届かない⇒頭痛
外傷や病気が長引く⇒血の流れが悪くなり、経脈が滞る⇒頭痛
腎精が足りない⇒脳髄が足りない⇒頭痛
気が足りず清陽が頭に上がらない、血が足りないので頭に栄養がいかない⇒頭痛
頭痛のツボ
頭部や首、肩の緊張して硬くなっている筋肉の緊張を緩和させるツボを刺激します。直接関係のある筋肉や神経上のツボを使ったり、頭痛の症状の出ている場所によって、そこに関係のある経絡上のツボを使うこともあります。
片頭痛など、ズキズキしている場合は、自律神経の調整を行ったり、血管運動を落ち着かせることが大切です。
東洋医学的な考え方では、足りない気を補ったり、滞っている経絡の流れを良くするためのツボを刺激します。
風邪(外邪の一つ)は首の後ろから入ってきやすいとされていて、首の後ろを冷やさないようにすることが風邪の予防になり、外感性の頭痛を予防できます。