東洋医学では、健康とはバランスがとれていること。陰陽、五臓六腑、気血津液などそれぞれの要素のバランスが大切で、上手く保たれているかどうかが健康の指標となります。
このバランスが崩れる原因を病因といって、これには内因、外因、不内外因である。
外因とは身体の外の環境が原因となり、風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪があります。これを六邪(六淫)といいます
内因とは、身体の内の環境、つまり身体の内側の感情のことで、喜、怒、思、悲、憂、恐、驚(七情)といいます。
外因でも内因でもないものを、不内外因といいます。
不内外因とは
外因でも内因でもないもので、生活習慣に関すること、例えば、過労や、偏食、過食、心労、休みすぎなどです。
これを飲食失節、労逸、五労、外傷、体質(痰飲や瘀血)などといいます。
***飲食失節***
食べ過ぎや逆に食が細すぎること、また偏った食事などの飲食の節度がなくなることをいいます。
過食は脾胃に負担をかけてしまいがちで、胃腸の調子が悪くなり、便秘や下痢の原因となります。
栄養失調は気血が足りなくなり、抵抗力が低下しやすくなります。
偏食は冷たいものや辛いもの、脂っぽいものなどで下痢や便秘、消化不良による腹痛などの原因になります。
***労逸***
労倦(過労)と安逸(安静)を組み合わせた意味です。
労倦とは、仕事や遊び、勉強などをし過ぎることで、気血を消耗し過ぎている状態を言います
また精神的に悩み過ぎると、脾や心を疲労させてしまい、食欲不振や不眠、動悸などが起こりやすくなります。
安逸とは、休みすぎることで、気血の流れが悪くなり、脾胃が衰えやすく、無力感や食欲不振になりやすくなります。
***五労***
五労とは同じ動作を長時間続けていることによって、五臓に影響を与えてしまうという考え方です。
①久視(きゅうし):目を使いすぎることで、血を消耗し、心を傷つけてしまう
②久臥(きゅうが):寝たきりになると、皮膚や肺を傷つけてしまう
③久坐(きゅうざ):座り続けると、肌肉や脾を傷つけてしまう
④久立(きゅうりつ):立ちっぱなしでいると、骨や腎を傷つけてしまう
⑤久行(きゅうこう):歩き続けると、筋や肝を傷つけてしまう
生活習慣を知ること
今の不調の原因がどこにあるのか、ご自分の生活習慣を改めて振り返ってみるとみえてくることも多いです。鍼灸やマッサージでどのようなケアをさせていただくかを考える上でも、生活習慣はとても大切な情報なので、問診でもお聞きしながら、お身体のサポートをさせていただきます。