梅雨の季節 湿邪に注意

湿度の高い日が増えてきました。梅雨の訪れがすぐそこまできています。最近、身体がなんとなく重い、だるい、眩暈や頭が重い感じがする、手足のむくみが気になるといった症状でご来院される方が増えてきています。

身体にとって、水分は大切な成分です。健康な身体には、適度な水分、潤いが必要です。ところが、身体の中の水分が上手く巡っていない、また、身体に余分な水分が溜まっている状態が続いてしまうと、身体が重だるく感じたり、疲れやすい、浮腫みやすいといった症状が出てきてしまいます。

 

梅雨の時期のように湿気の多い季節を、東洋医学では、長夏といいます。この時期は身体の外側の環境の湿気も多く、湿邪と呼ばれる外邪(外から入ってくる悪いもの)が身体に入ってきやすい状況です。

更に身体を動かさずに、じっとしている時間が長くなってしまうと、身体の中の水分の巡りが滞ってしまい、水分は溜まりやすい状態になります。

また食べ物や飲み物も身体の水分の巡りに影響します。塩分の濃い物を好んでよく食べたり、アルコールの取り過ぎは、血液の濃さを調節しようという身体の働きから、水分が溜まりやすい状態になります。

このように水分の巡りが滞って、身体に溜まってしまうと、「痰湿」という状態になります。痰湿の体質になると、身体がだるく、浮腫みやすい。女性の場合はおりものが多くなったりすることもあります。

東洋医学では、脾(胃腸)の生理特性として、乾燥を好み、湿を嫌うと考えます。これを喜燥悪湿という表現をします。余分な水分が身体に溜まると、湿気を嫌う胃腸は調子を崩しやすくなり、下痢や軟便といった症状がみられることもあります。

水分の巡りを自分でチェックしてみましょう

それでは、自分の身体の水分の巡りが、いい状態かどうか、自分でチェックする方法を少しご紹介します。

簡単にできる方法として、自分の舌の状態を見ます。東洋医学ではこれを舌診といいます。

舌に力を入れず、べーっと舌を出して、鏡で自分の舌を観察してみます。どのような色や形をしているか観察してみてください。

水分代謝が悪いと、

★舌の表面にねっとりとした苔がたくさんついている場合、 やはり痰湿という状態になっている可能性があります。

苔の色も白っぽいか、黄色みを帯びているかで、身体の状態がちがいます。冷えていると苔の色も白っぽくなり、熱がこもっていると黄色みを帯びています。

★舌の縁に歯形がついて、舌の縁が凸凹していることがあります。これは舌が浮腫んでいる状態が考えられます。

 

舌を見るときの注意点としては、飲食の前に観察してみましょう。色のついた飲み物を飲んでから時間をおかずに舌を見ると、飲み物によって舌の状態や色が影響されてしまいます。

とはいえ、舌を見てもよくわからないという方も多いと思います。まずは、自分の身体の調子が今日はいいなと思う日に、自分の舌を一度観察して見てください。その時の状態と、調子が悪いという自覚症状のあるときで、比べてみると、舌に変化があって、不調を発見しやすいかもしれません。

身体の水分の巡りを整えましょう

まずは、身体の周りの環境の湿気を、調節しましょう。屋外では難しいですが、室内にいるときは、除湿器などを上手く使って、室内の湿度が高くなりすぎないように調節してみましょう。

また、食べ物の内容も、塩分を控えめにする、アルコールを過度に取り過ぎないように心がけて、水分が身体に溜まりすぎないように心がけましょう。

適度な運動で汗をかき、身体に溜まった水分を排出していきましょう。マッサージや入浴など身体の血流を良くしておくことも、身体全体の巡りをよくするためにも大切です。

自宅でできるお灸(セルフ灸)も、身体を温め、血流をよくすることをお手伝いしてくれますので、痰湿体質の予防につながります。むくみや胃腸の調子を整えるお勧めのツボを個別にご紹介いたしますので、施術の際に、ご相談ください。

痰湿予防にお勧めのつぼ

「豊隆」 : 

膝の下から足首までのラインのほぼ真ん中の高さで、すねの前にある筋肉の盛り上がりの外側に際にあるツボです。胃の経絡のラインにあるので、胃腸の調子を整えたり、頭が重い、眩暈などの上半身の症状にもお勧めです。

 


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